デザイナーの働き方

デザイナーの独立。フリーランスになる方法・手順とメリットデメリット。

このページでは、デザイナーが独立してフリーランス・個人事業主になる方法・手順と、そのメリット・デメリットについて、筆者の経験をもとに書いています。

デザイナーのキャリアアップには、転職の他に、独立してフリーランスとして働くという選択肢もあります。

企業や組織に属さず、デザイナーとして様々な仕事を個人として請け負う個人事業主になるという選択です。

企業に属していると仕事の実績は企業のものになる場合が多いですが、個人でした仕事は個人の実績になります。

デザイナーとして名前を売りたい場合は最適な選択肢となるでしょう。

もちろん、数人のデザイナーを雇用して、個人デザイン事務所の代表になり、受ける仕事を増やすことも可能です。

なお、転職してキャリアアップする方法は、デザイナーの転職・キャリアップ方法と手順。様々な転職形態のメリット・デメリットも解説。のページを参考にしてください。

それでは。独立・フリーランスになる具体的な方法・手順を見ていきましょう。

デザイナーが独立・フリーランスになる方法・手順

いざ独立することを決めると、できるだけ早く軌道に乗せるために、やることがたくさんあります。

できれば、現在の職場を退職する前に、できるだけ多くの準備を並行して行い、準備が整った状態でスタートを切ることをおすすめします

独立の理由を考え・納得する

まずは独立する理由をしっかりと考えておきましょう。

独立して食べていくことは、とても楽しいですが、とても大変です。自分が動いていない時は収入が発生しないのです。

その他、社会保険や健康保険なども会社員の方が優遇されています。

  • どうして独立したいのか(ポジティブな理由?ネガティブな理由?)
  • 独立しないとできないことは何か(会社員のままではできないことなのか?)
  • 目標は何か?(独立して、どんな結果が出れば成功なのか)

上記のようなことを考え、それでも、どうしても独立したいのか、後で述べるメリット・デメリットをしっかりと見極めて、自分にとって最適な選択肢なのかどうかを判断するようにしましょう。

そしてもし納得して決めたのなら、やりがいのある働き方であることは間違いありません。楽しく準備を進めていきましょう。

ポイント

独立する明確な理由を考えよう

自分の専門分野を明確にする

独立してフリーランスとして働くにあたり、必ずやっておくべきことは「自分の専門分野を明確にすること」です。

世の中には多くのデザイン会社・デザイン事務所が存在しています。

その中で自分を選んでもらうためには、「何でもかんでもやります!」ではなく、「この分野ならこの人にお願いしよう」と思ってもらえることです。

例えばある美容院のオーナーが、集客用のチラシを制作してくれる業者を探していたとします。

次の2つの業者があった場合、どちらに頼みたいと思うでしょうか。

  1. どんなものでも相談できるデザイン事務所
  2. 美容室の集客ツールに特化したデザイン事務所

お客様の目的が明確な場合、「美容室の集客ツールに特化したデザイン事務所」の方に頼んでみようと思うはずです。

どうせ頼むのなら専門家に頼んだ方が良いと感じるからです。

専門分野は、美容院・居酒屋など、お客様の属する業界で絞っても良いですし、名刺やチラシなどデザインする媒体で絞っても良いです。

ポイント

自分の強みと専門性を考え、打ち出そう。

具体的な方法は、次の記事も参考にしてください。

屋号を決める

独立開業するにあたり屋号を決めておくと、事業がやりやすくなります。

個人名だけでの活動も可能ですが、「〇〇デザイン事務所」などのような屋号(事業所名)があると、信頼性があり仕事がしやすくなります。
もし、いずれ人を雇って活動するような場合にも良いでしょう。

ちなみに、個人名を売りたいのならば「山田太郎デザイン事務所」のような名前もありですが、一度浸透した名前を変更するのは大変ですので、長い目で見て屋号を考えておきましょう。

ポイント

今後の自分の事業展開を考えて、屋号を考えよう。

仕事の受注方法を考える

仕事の受注先は次のように様々です。自分がどの方法で仕事を受注するのかを、できるだけ明確にしておきましょう。

集客する際の手段を考える上でも重要です。

  • 広告代理店から仕事を下請けする
  • 広告代理店を通じて受注する場合は、直接営業をかけたり、フリーランス同士のつながりを利用することが多いです。人脈を作る努力をする必要があります。

  • 企業・個人から直接仕事を受注する
  • クライアントからの直接受注を目指す場合は、WEBサイトやブログを活用した集客が良いでしょう。脈があるかどうか分からない企業に営業をかけて受注するには、相当の数の営業をこなさないといけません。個人でやるには時間的コストが大きすぎます。

  • クラウドソーシングなどのサービスを通じて受注する
  • まだ実績が少なく、仕事もなかなか受注できない場合は、インターネットを利用して受注するクラウドソーシングサービスを利用して実績作りをしても良いでしょう。単価が低いなどのデメリットはありますが、実績作りをする場合には良いサービスです。

参考:クラウドソーシングとは
クラウドソーシングとは、簡単に言うとインターネット上のサービスを利用して、不特定多数の人に業務を外注するサービスです。
日本では、クラウドワークスランサーズが有名です。

ちなみに筆者は「企業・個人から直接仕事を受注する」をメインに活動しています。

理由は、代理店が間に入らないため中間マージンがかからず、クライアントにとっては安く、自分にとっては利益が多くなるからです。また、直接クライアントと打ち合わせするため、意思疎通がスムーズにいくこともメリットです。

反面、全てのやりとり・責任を自分が持つことになるので、相応の覚悟や必要です。

なお自分自身がWEBマーケティング・WEB集客を身につける必要があるので、お客様の集客をお手伝いする際にも説得力がある提案ができることは、大きなメリットです。

ポイント

自分にとって最適な受注方法を考えよう。

WEBサイト・ブログを作る

上記で書いたどの方法で仕事を受注するにしろ、自分の考え方や実績がアピールできるWEBサイト・ブログは必ず開設しましょう。次のようなメリットがあります。

  • WEBサイトを通じて仕事の受注ができる
  • 実績を世界に発信できる
  • デザイン系雑誌・書籍への掲載オファーがもらえる

WEBサイト・ブログで情報を発信することで、情報が集まってきます。

筆者も、WEBサイトを見た、いくつかの有名デザイン系出版社から「こんなデザイン書籍を作るので実績にある作品を掲載させてください」という連絡をもらい、実際に掲載して頂いています。

書籍に作品が掲載されると、自分が嬉しいのはもちろんですが、クラインアントにも喜んでもらえます。

また、自分の仕事の価値があがり、仕事依頼もより頂けるようになります。

ポイント

WEBサイトを通じた情報発信で、自分の価値を高めよう。

ビジネスツールを作る

フリーランスのデザイナーとして開業するにあたり、打ち合わせや取引に必要なビジネスツールを作成しましょう。

必須なのは次のようなツールです。

  • 名刺・封筒
  • ご挨拶時に使用する名刺はもちろん、資料や見積書・請求書を入れるための封筒も準備しておきましょう。

  • 制作実績(ポートフォリオ)
  • 打ち合わせ時などに紹介できる制作実績を紙媒体で作っておきましょう。色々な場面で役に立ちます。

  • 事業・制作フロー案内
  • 自分の専門分野や事業内容、制作の流れなどは、毎回口で説明するだけでなく、説明資料を用意しておくとスムーズです。

その他にも、仕事をスムーズに進めるために必要な資料を、自分で考えて用意しておきましょう。

ポイント

デザインの仕事に時間を使えるように、必要なツールは予め揃えよう。

必要な道具を揃える

会社員の時は、仕事に必要な道具は会社が準備してくれていたと思います。

しかし独立して仕事をする場合は、全て自分で用意する必要があります。次のようなものを、会社員時代から順次準備するように心がけましょう。

  • パソコン
  • プリンタ
  • Adobe系ソフトウェア
  • フォントライセンス
  • 色見本
  • 紙見本

必要になる主な道具や手に入れる方法は、次の記事を参考にしてください。

まとめて準備するのは、コスト的にも大変です。少しづつ準備をしておくとスムーズに開業できます。

ポイント

開業準備は徐々に進めよう。

会計(見積もり・納品・請求・入金・支払い)の仕組みを作る

独立して仕事をするということは、会計関係の事務処理も全て自分でする必要があるということです。

一人でこなすには時間的も限りがありますから、効率化のためのツール・サービスは必ず取り入れましょう。

まず揃えるべきツール・サービスは次の通りです。

  • クラウド会計ソフトを導入する
  • 確定申告を簡単にスムーズに行うためにも、クラウド会計ソフトは必ず導入しましょう。

  • クラウド請求書ソフトを導入する
  • 見積書発行から請求書発行までを効率的にこなすためにも、会計ソフトと連動できる請求書ソフトを導入しましょう。

  • 事業用の銀行口座を作る
  • 個人のお金と仕事のお金を明確にして、お金の流れをわかりやすくするためにも、事業用の銀行口座を作りましょう。オンラインバンクがおすすめです。

  • 屋号の印鑑(角印)を作る
  • 請求書などに押印する屋号の印鑑を作りましょう。個人名の印鑑を使うより信頼感が増すので、必ず作っておきましょう。

  • クレジットカードを作る
  • 会計処理をスムーズにするために、会計ソフトと連動するクレジットカードを使いましょう。事業で動くお金は大きいですから、ポイントがつくカードを使うのもおすすめです。

揃えるべきツールの具体的な選び方は、次の記事を参考にして見てください。

個人で事業をするデザイナーにとって、効率化はネックです。便利なサービスを有効活用しましょう。

ポイント

便利なサービスを有効活用して、時間を効率的に使おう。

仕事場所について考える

独立開業すると働き場所も自分で確保する必要があります。選択肢は場合によって様々。代表的な選択肢は次のようなものになります

  • 自宅兼事務所にする
  • オフィスを賃貸する
  • コワーキングペース(共有オフィス)を利用する

家族がいて自宅では集中できないのであれば、オフィスを借りる必要があるかもしれませんし、開業したばかりで資金に余裕がなければ自宅事務所が良いでしょう。

自分の状況に合わせて最適な方法を考えましょう。

ちなみに筆者は、自宅事務所とコワーキングスペースを併用しています。コワーキングスペースは月額費用が安い場合が多いですし、気分転換になるのでおすすめです。

ポイント

自分に合った働き場所を決めよう。費用は掛けすぎないのがポイント。

試行錯誤を繰り返す

今まで書いてきたことはもちろん、それ以外のことも、事業を運営する中で少しづつし試行錯誤して改善していきましょう。

定期的に見直しを行って、事業の効率化を行いつつ、不要なコストは抑えていくことが大切です。

ポイント

定期的な見直しで、事業運営を最適化しよう。

デザイナーが独立・フリーランスになるメリット・デメリット

デザイナーとして独立・フリーランスとして活動するには、メリットもあるしデメリットもあります。いくつか上げておくので参考にしてください。

メリット

メリットは次の通りです。

  • 自分に合った働き方ができる
  • 時間・場所など、自由に時と場合応じて働くことができます。

  • 稼ぎ方を工夫できる
  • どのようにしてお金を稼ぐのか、自分で工夫することできます。

  • 自分で全てを決められる
  • 受注する仕事案件なども、自分で判断して決めることができます。

とにかく何でも自分の裁量で決めることができるのがメリットです。覚悟を持って独立すれば、充実したデザイナーライフを送ることができるでしょう。

デメリット

デメリットは次の通りです。

  • 自分が動かないと収入はない
  • 毎月振り込まれる給料はありません。自分が仕事を取ってきて完了しないと収入はありません。上下する収入に動じない覚悟と気力も大切です。

  • 社会保険・有給休暇などがない
  • 社会保険などはありません。病気や怪我で動けなかったら、全てが止まります。健康管理やリスク管理が大切です。

  • 孤独な作業も多い
  • 全てを自分で背負うことになります。相談する同僚や上司はいません。孤独に耐えれる精神力や適正が定説です。

このページのまとめ

このページでは、デザイナーの独立。フリーランスになる方法・手順とメリットデメリットについて書きました。

独立することは、やることは多いし、覚悟も必要です。ただし、自分の裁量で全てをコントロールできるという、楽しさとやりがいもあります。

ぜひ、しっかりと準備をした上でチャレンジしてみてくださいね。

ちなみに、このページを見て、まだ独立には不安があると感じた方は、キャリアアップの選択肢として転職もありです。

その時は、デザイナーの転職・キャリアップ方法と手順。様々な転職形態のメリット・デメリットも解説。のページも参考にしてみてくださいね。

最適なキャリアップを応援しています!

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CHABU

CHABU

グラフィックデザイナー。印刷会社・小売業・専門学校でデザイン・企画広報・広告宣伝業務を経験後、フリーランスとして活動中。デザイン系専門学校では講師をしつつ、進路相談もしました。
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